コ  ラ  ム  U

 

 
21 美しい日本
 このキャッチフレーズが多くの人々の共感を呼んだことと思います。
 美しものには誰しも目を止めるでしょうが、「日本」がつくと個々の思いが仲間のいる共感に変わり、安心感が伴います。
 「そうだ。そうあって欲しい」何をどうということではなくても期待したくなるのです。 ところが、期待がはずれると「汚いよ」と言うことになる。「汚いよ」は理屈ではありません。「合法的だ」と言っても通じません。決定的な「悪」になってしまいます。それが日本人の美学です。
 バブルの時期に「正義は金だ。貧乏は罪悪だ」という言葉を何度も耳にしました。しかし、バブル経済がはじけて、金儲けの仕方が「汚い」と言われたら正義ではなくなってしまう。
 明治には「勝てば官軍、負ければ賊軍」という言葉がありました。勝っているときはそれでよかった。
 太平洋戦争が受身になって、大本営発表がうそではないかと思われるようになって来たとき、軍は「玉砕」という言葉を使うようになった。
 日本には「城を枕に討ち死に」という滅びの美学がありますから、「軍部は汚いよ」と言われる前に、美しく滅びようと言い出したのです。
 「一億玉砕」とまで言った。国民が死に絶えると言うことです。軍隊は国民を守るためではなかったのか。
 自衛隊の模擬演習をテレビで放映したときのこと。
 日本国内で一人のテロが男性一人を拉致し、自衛隊員が銃をかまえてとり囲んでいる。記者が一人に聞いた。
 「撃たないんですか」
 「向こうが撃ってこないと、正当防衛として撃ち返せないんです」
 自衛隊は、国民を救出するために鉄砲を撃つのではないのか。自分の身を守るためだけか「汚いよ」
 桜は散っても美しいです。累々と横たわる兵士の姿を美しいと見る人はいないでしょう。あわれです。さりとて、彼等の死を美化すれば戦争賛美と言われかねない。
 戦争反対という言葉が聞かれる世の中で、「勝ち組、負け組」という言葉も聞かれます。変です。
 「美しい日本」のイメージを伝統の中から見つけ出して欲しい。     2007.8.23

 22 自由と奴隷
 対語というのは漢字文化の民族が考え出した生活の智恵で、ヨーロッパには少ないようです。
 漢字の中に自由の対語を見つけられないのは、中国人は自由を求める以前に秩序を求めたからではないでしょうか。
 自由の対語は聖書の中にあります。奴隷でないのが自由です。キリストは「人は罪の奴隷である」と言いました。
 アダムとイブの罪を理解しない民族にとって、自由という言葉は別の意味を持ちます。
 「自分の好きなようにしてよい」と解釈してしまうのです。
 60年たって気がついた人もいるでしょう。「何が自由なものか」「奴隷扱いではないか」と。
 いつの時代にも貧富の差はあります。それでも「金は天下の回りもの」と言った。今は、どこかへ流れ去っていませんか。
 戦後の日本は武力支配も宗教支配も受けなかった。経済発展は戦後復興だった。それがいつの間にか、異民族による経済支配になっていると思いませんか。
 人間にも種属保全の本能がありますから、他民族には冷たくなりがちです。
 フランス革命もロシア革命も階級闘争ではありません。彼等の求めた「自由」は民族の解放です。
 考えるゆとりのある人は考えて下さい。
○世界の歴史は民族闘争の歴史です。―――なぜそうなるのかと。
○日本の歴史は民族統一の歴史です。―――いかにしてそれを可能にして来たかと。
 そして、もう一つ考えて欲しい。駐留軍がいるのに独立国なのか、友交国なのか、と。
                         2007.10.12

 23 品格について
 品性、気品などの表現もありますが、要は「品」です。「ひん」と読みますが「しな」定めと言った方がわかりやすいでしょう。
 「しな」と読む場合は品物であり、「ひん」と読む場合は精神的価値です。
 物には上手物(じょうずもの)と下手物(げてもの)とあり、下手物も芸術的味わいとして好まれます。上手物の最上位が「ひんが良い」と言われ精神性が問われます。
 昔は、絵画の価値判断に画品(がひん)が有るか無いかと言われました。
 画品のある画家の例を上げると、上村松園、小林古径、山口華楊、川合玉堂などなど。
 音楽で品格を気にするならば、楽器の音色を追求することになります。特に笙は品の良い音色が望ましい。
 しかし、品の良い絵を描くのが容易ではないように、品の良い音色を作る出すのも容易ではありません。
 昔も今も、品良くあるために各種のお稽古ごとをします。それが情操教育であり、芸術の分野です。
 公家が詩歌管絃を嗜(たしな)んだのも、品格を身につけるためです。「嗜み」には「慎しみ」の意味も含まれており、慎しみが稀薄になるとともに公家の時代が蔭り始めました。
 今の時代の大きな間違いは「使い捨て経済」から始まりました。三世代も続くと直ぐにはなおりません。捨てる物があまりにも多過ぎます。
 山も汚れ、海も汚れ、空も汚れ、汚染の中で暮して品格どころではないでしょう。
 品良くあるためには「散らかさない」ことです。       2007.10.21

 24 しつけについて
 うちは子供がいないから体験は語れないけれど、妻の弟の家で思いもしなかったことを知りました。
 隣の部屋で赤ん坊が泣いています。妻と弟は話に夢中。弟の嫁は台所にいて気にする気配もない。
 私が立って行き、子供を抱き上げると泣きやみました。とりあえず言ってみた。人のいる方を指さし。
 「向こうへ行きたいの?」
 子供はこっくりうなづいたのです。這い這いはおろか寝返ることさえおぼつかない子に通じたのです。まさかと思いもう一度言ってみた。
 「向こうへ行きたいの?」
 前より深くこっくりしました。
 たぶん、這い這いが出来るようになったら、自分の行動範囲を持つ社会人でしょう。片ことを話すようになったら、自己主張の出来る社会人です。親は、知らないことは知らないと答えなければいけません。
 「三つ子の魂百まで」と言いますが、大人になってから必要なマナーを、三才までに教えておかなければいけないということでしょう。
 お小言は手遅れで、しつけでも対話でもなく、親のグチに過ぎないような気がする。
 子供に絵本を読んであげる母親は良い母親です。これが、おとぎ草紙の意義でしょう。
 子供に「けじめ」を教える父親は良い父親です。それが判断の基準になるのですから。出来ない約束をしてはいけません。原因を確かめずにしかってはいけません。
 駅のホームで若いサラリーマンの会話。
 「家に帰って子供の寝顔を見ると疲れがとれる。子供って本当に親孝行だと思うよ」
 でも、子供は父親の喜ぶ顔を見ていないのです。      2007.11.3

 
25 感性について
 感性は知性に先行します。
 人は誰でも大人になれば自分が子供だったときの感覚を忘れます。
 子供は感性で物事をとらえ、知識を得てから頭の中を整理します。
 整理したものをマニュアルと言って、マニュアルを子供に教えるとマニュアル人間が育つのです。
 交通信号を守って車にはねられるのはなぜ。
 大切なことは理屈抜きで教えておかなければいけません。
 大人も感性を大切にするために、各種の芸事をするのです。
 感性が狂うと理性的判断も狂いますから。       2008.5.31

 
26 年金問題について
 小泉政権のときの国会中継について語る人がいないのはなぜ?
 年金が何兆円も流出して、野党の追求があります。
 小泉総理が答弁します。
 「投資なんだから、儲かるときもあれば損をするときもある。しょうがないだろう」
 たったそれだけ言って、下がって行きます。
誰も声が無い。ヤジでもいいから、「バクチは困る」と言って欲しかった。
 この穴埋をどうするつもりだろうと思った。
 結果は5000万件の記録漏れです。記録ミスは操作上のことであり、現金は残っていなければいけないのです。
 記録ミスか入金不足か受給者に聞くことになる。
 入金不足ならば、なぜ督促をしなかったのか。
 若い人が言います。
 「うちには年寄がいるから年金を納めているけれど、自分がもらえるとは思っていない」
 これが年金の現在と将来です。政府が何を考えようと。     2008.6.11

 27 ある展覧会にて

 高校の美術部の先輩が新企画の展覧会に出品し、それを観に行ったときの話。
 先輩の奥さんがお友だちと観に来ている。先輩は会の仲間と話をしている。奥さんが小さい声で言います。
 「お友だちが気持の悪い展覧会だって言うんですけど、どうなんですか?」
 答えます。
 「気持が悪いです。先輩のように曲がったことの嫌いな人が参加するような展覧会ではありません」
 主催も後援も大したもので、主旨も立派です。画家としては、ここに入選するだけでもステータスになるのです。
 絵を言葉で説明しても絵をイメージすることは出来ませんから、「気持が悪い」という意味を説明します。
 船酔の気持悪さを想像して下さい。船が揺れる自分が揺れる。正常な感覚が狂って気持悪くなる。
 絵にデフォルメ(誇張)は付きものですけれど、程度を越えると気持が悪くなります。 出品のどの絵も投げやりに描いたものではありません。これを描くのにどれ程の日数を費したものだろうかと思う。
 常識を越えるのも啓蒙のうちですから、それを時代の先駆と言うことになるでしょう。 船酔に慣れないと船旅は出来ません。
 しかし、常識の船酔には慣れないで下さい。ためらわずに「気持悪い」と言って下さい。変なものは「変だ」と言って下さい。             2008.6.20

 
28 裁判員制度に思う
 裁判員制度を国民の義務と言っています。
 義務には権利が伴います。権利放棄も権利のうちです。権利が認められず義務だけ要求されるのは奴隷です。
 奴隷が国民を裁くことになります。
 守秘義務はその道の専門職に言うことであって、専門外の臨時雇いには口止め料と言った方がよいでしょう。口止め料は契約時の駆け引きです。
 素人に法の知識はありません。家族や友人にも相談出来ず、一人で悩むとストレスが溜まります。
 裁判を煩雑にしているのは弁護士です。責任能力を問う必要はありません。責任能力が無いのを無責任と言います。責任を自覚させるため罰を与えるのです。責任を自覚しないで社会に戻ったらどうなりますか。
 情状酌量はあっても、裁判所が更正の可能性まで判断する必要があるでしょうか。更正は刑務所の仕事です。
 司法に絶対的基準はありません。相対的判断によるものです。
 裁判官も気持が揺れるから前例を頼ります。
この頃は、前例では用が足りなくなっています。
 裁判員の感性が頼りです。感性に自信はありますか?      2008.7.6

 
29 死刑を考えましょう
 死刑について賛否両論があります。
 死刑反対は、それ自体が結論ですから議論の余地はありません。国会で主張して下さい。
 「この犯人を死刑にすべきか否か」が選択の課題になるのです。刑法に死刑が有ろうと無かろうと。
 古今東西、死刑の例は沢山あります。死刑の無い例もあります。歴史を振り返り、死刑にしてはいけなかった例は沢山あります。死刑やむなしの例も沢山あります。
 帝政ロシアには死刑が無く、殺人犯も万引犯もシベリア送りでした。シベリア開発で働かせるのです。任期に差はあったでしょうが、過労で任期を待たずに死ねば、死刑と同じです。
 ヨーロッパの魔女狩は悲劇です。
 それやこれやをテーマにした文学小説は沢山あります。
 死刑は、その時代その国の社会通念によりますから、疑問を残して次の時代に移って行くのです。
 今、私達は、国民に課せられた難題として考えなければなりません。
 裁判所は、知識や理性で判断しきれないから国民に参加を求めているのです。つまり、国民の社会通念に頼りたいのです。
 通念とは、国民投票に該当する国民感情です。 
 国民感情としてどちらを選ぶかということですから、事件一つひとつに対処出来る感情を育てておかないといけないのです。
 冷静でいられるのでしょうか?
 いつ誰が、どの事件を言いつかるかわからないのですよ。     2008.7.16

 
30 世論とは
 政治を動かしているのは政治家ではありません。世論です。それが民主主義です。
 「一人で何を言っても、どうなるものでもない」などと言ってはいけません。
 誰かに話す。その誰かが別の誰かに話す。噂が広がるように伝わって行けばよいのです。
 署名運動は、呼びかける人達がいますが、要は集まった署名の数です。
 アンケート調査もあります。調査をしたくなるような世論の高まりになればよいのです。
 政治家は人気商売です。人気を得るための政策を口にします。当選したら、ころっと変わったのは過去です。
 平和ボケの時代は終わりました。
 いろんな問題が表に出て来ました。
 政治も経済もアメリカを頼りではいられなくなりました。
 一つだけアメリカを批判します。
 人種差別をする国が「世界に良かれ」のはずがない。
 私達は、自分達で世界の中の日本を考えなければならないのです。暮らしを守るために。
                       2008.7.19
 31 私の勉強について
 「西塔さんは、どういう勉強をしているんですか」という質問をする人が何人もいますので、お答えします。
 雑学です。
 一分野の探求ではありませんから、暮らしの役には立ちませんでした。
 新聞だったか忘れましたが「これからは分野を越えた知識を持つ人が必要です」ということが書かれていました。
 それは私のような人でしょう。でも、私の残りの人生は少ないのでホームページに書き残しているのです。
 反対意見に耳を貸さなければ知識は広がりません。好奇心を示せば話を聞くことも出来、その人の読んだ本を聞くことも出来、借りることも出来,ときには図書館から借りて来てくれたこともありました。いろんな分野の人達です。
 子供の頃から読書好きで読書の量は多いのですが、一万冊読んだという人には及ばないでしょう。同じ本を何度も読み返したり書き抜きをしたり、書き抜きは後で役立ちます。
 雅楽の曲目解説でも「由来不明」と書かれていて「はい、そうですか」と思えばそれまで。「なぜ由来不明なんだ」と思えば時代背景を調べることになります。
 パソコンで知ることは出来ません。入力されていないのだから。
 歴史に興味を持ち、沢山読んでいたから探し出すことが出来るのです。雑多な読書の中から知りたいことをつなぎ合わせるのです。 得た知識は、頭の引き出しに整理して入れて置かないと、あとで探すのに苦労します。
 大学は行っていません。受験勉強はしていないのです。    2008.7.29

 
32 ヤバイの意味
 「ヤバイ」という言葉をテレビで数多く耳にします。コマーシャルでも使われており、困ったものです。
 ヤバイはヤクザの専門用語で「あぶない」という意味です。
 ドラマのヤクザが「ヤバイ」と言う。仲間に危険を知らせるのですから、常に使っていたら「狼出たよ」になってしまう。
 普通の人が、使い道も知らずに使う言葉ではありません。「シカト」も同様です。
 不良の真似をしたら不良です。
 夜中に外出する少女は不良です。夜中という時間の観念が無くなっている世の中だから困る。
 良家の娘なら「親が心配するから」と言いますよ。 
 言葉一つで心構えが変わると思って下さい。
 若い人に言います。
 芸能人にはあこがれて下さい。でも真似はしないで下さい。あなたは芸能人ではないのだから。
                      2008.8.5
  
33 続・ヤバイ
 雅楽用語が一般化する例もありますから、ヤクザ言葉の利便性も捨てがたいかな、とも思います。今の普及を思うと止めようが無いかも知れないし。
 さてそこで。
 河川での水難の多さにはあきれます。
 雨がパラッと来た。上流の空を見たら黒い雲が見える。「ヤバイ!逃げろ!」これがヤバイの使い道です。
 危機感無しにヤバイと言っているのは品位を下げているだけです。
 タレントが食べ物を口にして目を細め、うれしそうに「ヤバイ」と言う。馬鹿です。
 毒が入っているか、不純なものを感じて、仲間に「食べるな!」と知らせるときにヤバイと言うのです。
 河川に警報機をつけて欲しいなどと言います。自分で危機判断をしようとしないのです。
 水位があがる場合。
 水門を開くのと、雨水で増水するのとでは水の来かたが違います。
 水門を1メートル上げれば、水は1メートルの高さで流れて来ます。いきなり1メートルです。当然、知らせはあります。
 雨水が0秒で1メートル上がるということはありません。何秒の差が命取りになるのです。
 「あぶない」は4文字、「ヤバイ」は3文字、緊急用語だと理解して下さい。
 そして危険に敏感になって下さい。
 パック入りに慣れ過ぎて、立地条件の違いを考慮しなくなっていませんか?マニュアルは参考に過ぎないと思って下さい。暮らしの総てに於いて。       2008.8.7
  
34 拉致問題に思う
 いつまでも解決しないで気の毒に思いますが、二度目のチャンスを生かせるでしょうか。
 一度目は北朝鮮が、
 「拉致はありませんが、行方不明者なら探しましょう」と言いました。
 探索に対して、一人につき米何トンの謝礼をしましょう、と言えば良かったのです。
 しかし、私が関係者の近くに居たとしても私の案は聞き届けられなかったことでしょう。
 「向こうが悪いのに謝礼はないだろう」
 気持ちが高ぶっているから仕方のないことです。
 制裁をしましたが、効果のないまま年月が過ぎました。
 制裁が生きるチャンスが来たのです。
 再調査をしたいと言っている。
 一人返還につき米何トンの交渉以外に手がありますか?
 制裁の一部解除などして、「これで調査は終わりです」と言われたらどするつもり?
 返還の約束をしましたか? 
 核やハイジャックと同時進行すべきでしょうか?
 アメリカを当てにしたいならば気長に待つことです。
 ブッシュ大統領の言葉を付け加えておきます。
 「アメリカ国民の利益が何より優先される」
 アメリカにはアメリカの世論があるのです。      2008.8.28
  
35 関係ない
 一時のはやり言葉だと思っていたら、一向に衰えません。
 わずらわしいことが多過ぎて、いちいち拘わっていられないのでしょうか。
 無差別殺人といって関係ない人が殺される世の中になり、自分がいつどこで関係者になってしまうかわかりません。
 無関心でいると感性が鈍くなり、感性が鈍くなると関心を示すのに疲れます。悪循環です。
 世の中の出来事は、すべてどこかで「関連」しているのです。関連づけが出来ない人が多いのですよ。あらゆる分野で。
 私達の先祖は、遠い昔から海の向こうの民族との関連に気を遣い、文化交流をして来ました。そして日本の文化を作って来ました。
 今の時代は、入って来る情報があまりにも多いため、どのように「関連」しているのか、どのように「異」っているのか整理がつかないのでしょう。
 無関心と好奇心は裏表です。
 広く好奇心を示して欲しい。そして、関連がわかるようになって欲しい。
 悪いことをして金儲けをする人にとっては、「関係ないよ」と言ってくれる世の中の方が都合がよいのです。
 無関心でいられますか?           2008.9.8

 
36 防衛利権について
 
新聞の投書欄に「防衛利権を解明して欲しい」とありましたから書きます。
 戦後と呼ばれた昔、吉田茂という総理大臣がいました。吉田茂は、アメリカから資金をもらって総理になったと言われています。M 資金と呼ばれたとのこと。
 アメリカは吉田茂に何を望んだか。それは「再軍備」です。
 最初は警察予備隊と言いました。戦車を購入して特車(とくしゃ)と言いました。
 4年後、警察予備隊が自衛隊と名を変えました。終戦から9年後です。
 そして着々と軍備が進んだのです。
 戦争放棄の憲法を作らせたアメリカが、軍隊を作らせたのです。これが武器商人の利権です。
 当然ながら、日本にも間に入る武器商人がいます。
 アメリカが日本に売る武器は、アメリカ所有の武器と同等のはずはありません。
 さらに、日本が暴走しないために米軍基地があるのです。アメリカは真珠湾を忘れていません。「安保」はアメリカのためにあるのです。
 そして、日本が軍備を進めるために仮想敵国という言葉を使い、北朝鮮を敵国にしています。国力が衰えている北朝鮮に戦闘能力があると思いますか?
 お金を出すのは役所です。自分らが苦労して稼いだお金ではないから、ためらいも無く出します。
 防衛利権をふくらませないためには、不必要に怯えないことです。
       2008.10.6

  37 「かわいい」のやり直し

 新聞によれば「このごろは美しいという言葉が聞かれなくなり、かわいいという言い方に代っている」と言う人がいました。
 私もそう思っていましたから、やはり同じ人がいるのです。
 これは美の評価であるとともに、「かわいくありたい」という気持の表われでもありましょう。
 年齢に関係なくかわいいは良いことで自然にそうあればよいのですが、気になる点もあるのです。
 私はだいぶ前から大学生に逢うと「大学は幼稚園のやり直しでしょう」と言ってみる。
 肯定する人、笑う人はいても、否定する人はいません。彼等は自覚しているのです。それが自分のことであれ同輩のことであれ。
 なぜそうなのか。それは幼稚園で幼児体験をしていないのです。幼稚園から競争社会であり、かわいいどころではなかった。親の意志でそうなります。
 大学に入ると親は安心するし、本人はようやく親離れをする。幼児体験をやり直すことによって心のバランスを取り戻そうとしている人が多いということでしょう。
 幼児体験に支障のなかった人、やり直しが出来た人はよいとして、やり直せない不器用な人は気の毒です。
 親が望んだ「かわいい」と、子供が望む「かわいい」にはズレがあるのです。
                      2008.10.12
  
38 年金無用論
 「50年先の約束など守れるはずがない」
私は、年金を納める年齢になったときにそう思った。そして今、その答を見ている。
 絵の修行中はフリーターでした。職場によっては年金を納めてくれていたところもありました。
 自活出来るようになってからは納めませんので、役所から催促に来ます。貧乏だからと言って断ります。
 何回目かの人は「免除にしましょうか」と言うのでそうしてもらいました。後でわかったのですが、免除は再申請しないと継続しないのです。
 最後の人は強気で「国民の義務ですから」と言う。「権利放棄します」と答えたら「協力して下さい」と言う。「いいでしょう。私も納めた期間はありますから、その分を寄付します」と答えると、「もったいないですよ」と言いながら帰って行きました。
 60才を過ぎたとき、妻が「ひとの話で、最低料金はもらえるだろうと言ってます」と言う。そんなはずはないと放っておいたら、65才になったときに妻が言います。
 「配偶者が65才になったから、私の年金が下げられるんだって」
 私は役所へ行き、まず、私の年金がひとの言うようにもらえるものか聞きました。コンピューターは大したもので、私が忘れていた職場までもれなく調べてくれました。もちろん納期が足りないからもらえません。
 妻の年金が下げられた理由を聞きましたら「配偶者が年金をもらっていようといまいと、そういう決まりです」
 窓口で争ってもどうなるものではないから、変な話と目で笑いました。相手も、上が決めたことだから仕方がないと、苦笑していました。       2008.11.9

  
39 土地は誰のもの
 土地は神様のものです。だから地鎮祭があるのです。
 神様の所有物を人間が争って奪い合うところに無理があります。
 最初にその土地で暮らし始めた人達は、神の許しがあってそこで暮らせたのです。これは、神が先住者に与えた先住権です。これを力で奪うのは侵略です。
 先住者の土地を代貨を払って買うのは、当事者が納得の上ならば神も納得してくれるでしょう。
 しかし、買った土地を他者に転売して利を得るのを神が納得してくれるでしょうか。元の地主が気持良く思うでしょうか。中間業者の存在をとやかく言うのではありません。バチが当るかどうかの話です。
 転売で多大な利を得たのは田中角栄元総理です。列島改造と言いました。大きく経済が動き、喜んだ人も多かったことでしょう。
 バブルと言いました。バブルは泡です。泡はいずれ消えます。泡が消えても土地の価格は下げられなかった。
 こうして日本の経済は苦しくなりました。
 地価の安い国外で物を作り、食料も輸入し、それによって国内での生産が低迷しました。ここまでが今までの成り行きです。
 土地に対して、どのような認識を持つべきか考え直すときが来たと思いませんか?
                         2008.12.12
 
40 靖国問題その後
 一向にわかってくれないようです。
 福田総理が辞任して5人の候補者が出ました。テレビ番組で司会者がA級戦犯について質問すると、5人とも「分祀」と答えました。
 何を考えているやら。
 神社側は英霊であれ戦犯であれ、神様になるように祈ります。だから、世間がA級戦犯と言っても靖国神社では神様です。
 神様を神社から外に出せるのは宮司以外にいません。
 A級戦犯は行政の手の届かない所に行っているのです。
 世間には分祀をと言う人もいるでしょう。政治家も個人の思いはあるでしょう。しかし、総理大臣の候補者が口にすれば政治介入です。
 外国があれこれ言うのは政治的意図があるのです。この対応が出来ないものだから分祀などと言う。そのようなレベルで外交が出来るものですか。
 政治家が、いつどこの神社へお参りしようと、それは信仰の範囲です。
 戦時中の国民感情からすれば、国を守るために戦ってくれた将兵です。戦争を導いた人達に怨みを言いたいなら、A級戦犯だけが対象者ではないでしょう。
 そして、A級戦犯の中には、「私は貝になりたい」という手記を残した兵士もいます。彼は民間から招集された下級兵士です。
 司会者も認識がないから困ります。           2008.12.20
 
    












inserted by FC2 system